サーシャの闘病日記 ④ FIPの疑い/治療 (イギリス)

サーシャの病歴について、③ FIPの疑い / 治療(UK前半)に続き、今回はイギリスでのFIPの治療(UK後半)に入ります。

  • Part 1:23年4月〜24年3月 慢性的に続く下痢
  • Part 2:24年4月〜24年6月 FIPの疑い/治療 (日本)
  • Part 3:24年7月〜24年12月 FIPの疑い/治療 (UK -前半)
  • 本記事 – Part 4:25年1月〜25年3月 FIPの疑い/治療 (UK -後半)
  • Part 5:25年4月半ば 症状悪化 → 救急病院へ
  • Part 6:25年4月後半 二次診療で詳細検査実施(FIPではない。原因不明)

病院の変更

渡英から約半年間お世話になった動物病院を変更することに決め、車で約1時間離れた地域に評価の高い動物病院(一次診療)を見つけたので、早速年明けに希望の先生で予約を取りました。今まで通っていた病院には転院することを伝えたところ、全ての過去データを転院先まで送ってくれました。

前回の血液採取失敗後、動物病院が年末年始の休暇に入ってしまったので希望の先生で予約できたのが1/9と、前回の血液検査から2ヶ月半ほど空いてしまいました。以下が血液検査の結果です。

25年1月9日 検査実施(血液検査のみ)

  • 体重:3.83 KG
  • SAA:28.85μg/mL ※前回値:17.73μg/mL
  • A1-AGP:2664  ※正常値:<500 μg/mL
  • WBC:23.77 ※正常値:6.0 – 15.0 x10^9/L
  • NEU :15.93 ※正常値:2.5 – 12.5 x10^9/L
  • GLOB:51  ※正常値:25 – 45 g/L
  • FCoV antibodies :320

今回の検査から、SAAに加えて、A1-AGP(炎症マーカー)を追加しました。

結果がとても残念でショックだったのですが、SAAが前回値から上がり続けており、A1-AGPの値も正常値の範囲から大きく超えています。検査から10日後にSAAの結果が届き、そこから先生と相談した結果、FIPの可能性は否定できないとのことで、今度はGS-441524💊の治療薬を用いて84日間の治療を進めることになりました。

昨年から気になっていた咳については動画を見てもらったところ大きな心配はなく、気になるようであれば喘息の薬を試してみてもいいとアドバイスをいただいたのですが、一旦様子をみることにしました。

FIPの治療再開 – GS-441524

私たちの通っていた病院ではGS-441524錠剤については取り寄せ式のため、錠剤が届くのを待ち、1/22から【1日1錠】を2回に分けて(12時間毎)服用を開始しました。以前のモルヌピラビルは粉状だったのでサーシャに飲んでもらうのに苦労したのですが、今回からは錠剤だったため投与がだいぶ楽になりました。

また、84日分の錠剤を一度にまとめて購入するのではなく、1箱(12錠入り)ごとに購入ができるので、費用の負担を分散することができました。FIPと診断され渡英したサーシャの血液検査やFIP治療薬については残念ながら保険がおりず、かなりの金額が毎回請求されていた(現在進行中)ので、総額が変わらずとも支払いタイミングを分けることができるのはとてもありがたいです。

1/22から開始したFIP治療ですが、同時並行で、FIP治療に特化したFBグループでサーシャの症状についても投稿をしていました。(本当にFIPなのかについても懐疑的だったことに加えて、サーシャの治療内容が他のFIP治療をしている猫ちゃんと同じ内容かを知りたかったため)。そして相談していくうちに、サーシャに投与しているGS-441524の量が、推奨されている量よりも少ないことが分かり、先生にも再度相談をしたうえで1/27から【1.25錠/日】に変更することしました。

2月は薬を受け取りに病院に行きつつ、検査はせずにサーシャの様子を見守っていました。体重は2/10時点で、前回検査時(1/9)の3.83KGから3.60KGまで減少、たまに嘔吐もあり、回復している様子は一切見受けられなかったため、先生にメールで相談をしました。この時には、食欲増進剤や制吐剤を処方するか、もしくはFood sensitivity / intoleranceの可能性も考慮し、ロイヤルカナンのGastrointestinalもしくはHillsのi/dに変更してみると症状が改善するかもしれないと言われておりました。ただし、追加のお薬はもらわず、またこれらのご飯はサーシャが食べないのを既にわかっていたこともあり、ご飯についても変更はせずに様子をみることにしました。

そして3月に入り、血液検査・炎症マーカーで変化は表れているのか確認することにしました。

この時のサーシャの様子は以下のような感じで、私達も日に日に不安が増していました。

  • 食欲衰退 :サーシャの好きなウェットの割合を多くすると食べてくれるような状況
  • 遊び:さらに興味を示さなくなる。5-10分おもちゃを目で追い、たまに追いかける程度
  • 日中の様子:
    • 1階の自分のベッドで寝て過ごす時間が増える
    • キャットタワーには登らなくなって暫く経つが、家の2階にも上がりたがらなくなる
  • 便の状態:1日1回、下痢はなく健康な便がでている

25年3月12日 検査実施(血液検査のみ)

  • 体重:未計測(家で計測:3.6KG前後)
  • A1-AGP:3246  
  • WBC:15.5
  • NEU :9.127 
  • GLOB:55  
  • FCoV antibodies :320

※SAAは、イギリスではあまり使用されないとのことで、この検査からはA1-AGPのみに

3/19に検査の結果が出てきたのですが、GSの投与開始から既に2ヶ月弱ほど経過しているにも関わらず、A1-AGPの数値が上がり続けていました。サーシャの様子を見ると状況が悪化しているのはある程度予想はしていましたが、先生と相談した結果、GSの服用量を最大【1.5錠/日】に増やして様子を見るようにとのことでしたので、暫く気をつけながらサーシャを見守ることにしました。

症状の悪化

検査結果が出てきた日(3/19)に血便混じりの下痢が始まりました。これをきっかけにサーシャの症状がさらに悪化していくのですが、以下に時系列で当時の内容を記載します。

  • 03/19 : 血便混じりの下痢があったため先生に相談
  • 03/20:ロイカナのGastrointestinalとForti Floraを混ぜた食事に変えるご提案をいただき変更
  • 03/24:Therapeutic Drug Monitoring (TDM)のご提案をいただく
  • 03/26:現在の様子からTDM実施はストレスの負荷が大きく、次の検査結果で決めることに
  • 03/27:12日に採取した血液の残りを使って、トキソプラズマの検査を実施(→ 陰性)
  • 04/02:GSの処方量を最大にしてから2週間が経過。各検査を実施(結果は以下)

25年4月2日 検査実施

  • 体重:3.5 KG
  • 血液検査(主要項目のみ記載)
    • A1-AGP:>5000 ※数値が振り切れ、5000以上としか表示されず
    • WBC:17.45
    • NEU :10.47 
    • GLOB:47
    • HCT:20.7 ※正常値:30-45%
  • FCoV antibodies :320
  • 便検査
    • FCoV PCR : Not detected
    • ジアルジア・パルボウイルス・トリコモナス・クリプトスポリジウム:Not detected
  • トキソプラズマ:陰性
  • マイコプラズマ:陰性
  • FIV・FeLV:陰性
  • クームス試験:陰性

サーシャの症状が悪化してきていたため、FIP以外の可能性があると診て上記の通り各検査を実施し、4/9までにはマイコプラズマ以外の結果が全て揃っていました。以下簡単に再度時系列で状況を記載します。

  • 04/04:血液検査と便検査の結果がでる(A1-AGPが悪化。便検査は全て陰性)
  • 04/05:トキソプラズマ、FIV/FLeVの結果がでる(全て陰性)
  • 04/08 : GSに加えてステロイドを投与開始したい旨を連絡。家に郵送で届けてもらう手配完了。
  • 04/09:クームス試験の結果が出る。マイコプラズマの結果はまだだが、試験的に治療薬(doxycycline)を処方いただける旨にご連絡をいただく。また、Specialistの先生とも連携いただいており、名前をご紹介いただく。
  • 4/11:朝からサーシャの呼吸がおかしく(身体全体で息をしている様子)、先生に電話。車で1時間の距離は耐えれない可能性があるため、最寄りの病院に至急行くようアドバイスをもらう。

ステロイドが届くと言われていた4/11の朝から状況が一気に悪化し、夜中に緊急で病院に駆け込むことになるのですが、ここからは次の記事でお伝えします。

服用していた薬の記録(2025年1月 – 2025年3月)

  • GS-441524(84日間のコース)- 錠剤
    • 2025/1/22 – 2025/1/26 :1日1錠 (50mg)
    • 2025/1/27 – 2025/3/18 :1日1.25錠(62.5mg)
    • 2025/3/19 – 2025/4/16 :1日1.50錠(75.0mg)
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この記事を書いた人

2024年6月に東京からイギリス オックスフォードに移住。
現地の最新情報を発信していきます!

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